バドミントンの練習にはノックでのスキル練習やフットワークなどさまざまな要素を取り入れることでプレーヤーの成長を促進させます。しかし、技術的な練習やただの反復練習だけでは単調に感じられ、練習へのモチベーションが下がることもあります。
そこで、おススメなのが【ドッチビー】です。ドッチビーを取り入れることは、反応速度、身体の使い方、チームワークの向上に非常に効果的です。
今回は、ドッチビーをバドミントンの練習メニューに組み込む方法とそのメリットについて詳しく解説します。
目次
この記事におススメの人
- バドミントンのコーチや指導者
- バドミントンプレーヤー
- プレーヤーの保護者
- バドミントン好きの方
新しい練習メニューを探している、プレーヤーのスキル向上やモチベーション維持のためのアイデアを求めている方はぜひ最後までご覧ください。
ドッチビーとは何か?
ドッチビーは、ドッジボールの要素を取り入れたスポーツです。ドッチボールと違うのはボールを使用する代わりに柔らかいフリスビーを使用します。このスポーツはプレーヤーがフリスビーをキャッチしたり、相手に当てたりすることで競います。ドッチビーのルールはシンプルで安全性が高いため、バドミントンの練習前のレクリエーションとして取り入れやすいです。
ドッチビーを取り入れるメリット
反応速度の向上
バドミントンは速いペースで行われるスポーツであり、目で見た情報(相手プレーヤーの位置、身体の向き、シャトルスピードなど)を素早く処理しなければなりません。
ドッチビーでは、素早く動くフリスビーに対して瞬時に反応する必要があるため、反応速度を効果的に鍛えることができます。
また、フリスビーは掴むことができるため、投げたと思わせてフリスビーを離さないフェイントもしやすいです。そのため、相手の動作に騙されても素早くリカバリーする反応が身に付きます。これにより、シャトルだけでなく、相手プレーヤーのフェイントに即座に反応する速度が向上し、ゲームにも活かすことができます。
上肢(肩から肘、手首)・手指の操作性の向上
フリスビーを投げる際、上肢・手指を使ってディスクにスピンをかけたり、正確な方向に投げることが求められます。これには肩から指先にかけて連動した動きが必要になり、ラケットワークにも活かされる動きとなります。
特にバドミントンでは手首のスナップ(手首を回外する)が多く求められるため、フリスビーを投げる際の動きと似ています。
現に5歳になる娘とフリスビーで遊んでいますが、フリスビーの上達とともにバックハンドのサーブが上達しています。どちらも手首を回外させる動作のため、バックハンドが苦手な方にフリスビーで遊びながら練習するのも良いですね。
チームワークとコミュニケーションの促進
ドッチビーはチームプレイが基本です。プレーヤーたちはお互い協力して相手チームに対抗するため、コミュニケーションスキルやチームワークの向上が図れます。バドミントンは個人競技ではありますが、チームでコミュニケーションを図ることは練習時の雰囲気を良くします。また、個人競技とはいえ、ダブルスや団体戦において、こみにゅケーションスキルも非常に重要となります。遊びの中でプレーヤー同士の信頼関係を築く助けとなるでしょう。
モチベーションの維持・向上
バドミントンの通常練習は反復練習が多くなりがちです。毎日走って大変な思いをする練習だけでは単調に感じ、たとえ高い目標を掲げていたとしても、常にそのモチベーションを維持することが難しくなります。ドッチビーはゲーム性が高いレクリエーションであるため、選手たちの練習に対するモチベーションを維持しやすくなります。楽しみながら練習できる環境を提供することはコーチや指導者としての役割であると考えます。結果として選手の練習への取り組み方が積極的になります。
練習メニューへの具体的な取り入れ方
ドッチビーはフリスビーを使ったドッジボールに似たスポーツですが、練習への取り入れ方は目的によっても変わります。ここではドッチビーを使った2つの遊び方を紹介します。一つ目は、ドッジボールに似たルールの遊び方、二つ目はバドミントンコートを活用した特別なルールの遊び方です。どちらも簡単に取り組めるので、ぜひ試してみてください。
1.ドッチボールに似たルールのドッチビー
ルールの概要
このやり方のドッチビーは、ドッジボールと非常に似たルールで行います。基本的なアイデアは同じですが、柔らかいディスクを使うことで安全性を高めています。以下に具体的なルールを説明します。
プレイ環境
- 場所:バドミントンコート1面またはバレーボールコート1面
- 人数:6人以上の2チームに分かれる
- 用具:ドッチビー(やわらかいフリスビー)
ルール詳細
- チーム分け
プレーヤーを2チームに分けます。なるべく各チームは同じ数になるように作ります。 - 環境づくり
バドミントンまたはバレーボールのコートを2つのエリアに分けます。ネットを張る中央の線で分け、それぞれのチームが自身のエリアに立ちます。 - ゲームの開始
ゲームは中央線上にドッチビーを置いてスタートします。合図とともに両チームがドッチビーを取りに行き、ゲームが開始されます。 - 攻撃と防御
プレーヤーはドッチビーを相手チームのメンバーに当てることを目指します。ドッチビーが相手にあたった場合、そのプレーヤーはアウトとなり、エリアの外に出ます。ドッチビーをキャッチした場合、キャッチしたプレーヤーはアウトにならず、さらに1名のアウトプレーヤー(エリア外にいる人)を自身のエリアに戻すことができます。 - アウトプレイヤーの復帰
ドッチビーをキャッチした場合に限り、アウトプレイヤーが復帰します。キャッチを成功させたプレイヤーは、「アウトになったプレイヤー」を1人呼び戻すことができます。 - ゲームの終了
片方のチームの全員がアウトになるとゲーム終了です。その時点でアウトになったプレイヤーの数が少ないチームが勝ちとなります。
安全上の注意
ドッチビーは柔らかい素材でできていますが、顔や頭に当たらないように注意しましょう。
2.バドミントンコートで行う得点先取ドッチビー
ルールの概要
このやり方のドッチビーはバドミントンコートを活用した特別なルールで行います。2チームに分かれて、得点を競います。ドッチボールとは異なり、外野がおらず、速い展開でゲームが繰り広げられるため、コート内での戦略と素早い反応が養われます。
プレイ環境
- 場所: バドミントンコート
- 人数: 各チーム2人以上(理想的にはダブルス形式で4人)
- 用具: ドッチビー(柔らかいフリスビー)
ルール詳細
- チーム分け
プレーヤーを2チームに分けます。各チームは最低2人ずつで行います。 - コートの設定
バドミントンコートをそのまま使用します。ポールを立ててネットを張った状態で行っても構いませんが、難易度がかなり上がるため、最初はネットなしの状態で行うことをお勧めします。
ネットが張られているラインを境にして、コートを2つのエリアに分けます。これは普段のバドミントンと同じですね。 - 得点システム
ドッチビーを相手に当てるかキャッチすることで得点を獲得します。相手にドッチビーが当たれば2点、相手がドッチビーをキャッチしたら相手に1点が入ります。
先に30点を獲得したチームが勝利です。 - ゲームの開始
じゃんけんをしてどちらのチームから投げるかを決めます。投げ始めたら、普通のドッチボールのようにゲームが開始され、そこからは得点を常に数えながら当てたりキャッチしたりします。 - 攻撃と防御
プレーヤーはドッチビーを投げて相手に当てることを目指します。
ドッチビーがコート外に出た場合、相手エリアの外であれば、相手チームが投げる権利を得ますが、コートに5秒以内に戻ってこられない場合は自身のチームが投げる権利を得られるというルールを追加すると良いでしょう。
基本的にはバドミントンコート内でプレイを完結させますが、ドッチビーのディスクがコート外に出ることは頻回にあるため、そこもルールを作ることをお勧めします。。ドッチビーがコート外に出た場合、相手チームに得点が入ります。プレイヤーはライン内に留まってプレイしなければなりません。 - プレイの終了
ドッチビーを当てたり、キャッチしながら、先に30点を獲得したチームの勝利です。
また、ルールの中でダブルスのサービスエリア内でキャッチしたら1点、前のサービスエリア外でキャッチしたら2点、後ろのサービスエリア外から投げて当てたら3点など、特殊なルールを付け足すことでよりゲーム性が増します。また、ドッチビーのディスクを精度良く投げる技術が培われます。
まとめ
ドッチビーは、上肢・手指の使い方を上達させるための素晴らしいツールです。柔軟性や操作性、反応速度のトレーニングとして、バドミントンを含む様々なスポーツにおいてもそのスキルを活かすことができます。
ドッチビーを楽しみながら、バドミントンでもより高いパフォーマンスを発揮できるように取り入れてみてください。
また、今回はドッチビーを使った2つの遊び方を紹介しました。一つ目は、ドッジボールに似たルールで楽しむ方法です。これは広い場所で行い、チーム間でドッチビーを投げ合い、相手をアウトにするゲームです。二つ目は、バドミントンコートを利用した特別なルールで行う方法です。これは、コートを2つに分け、2人以上のチームでドッチビーを投げ合い、相手に当てて得点を競います。
どちらの遊び方も、楽しく安全にプレイできることを目指しています。バドミントンの練習だけでなく、レクリエーションを通じて、チームワークを鍛えることもできます。ぜひ、クラブのチームメイトと一緒に試してみてください。